宮島にある厳島神社は、海上に立つ赤い大鳥居で有名です。
ご存知かもしれませんが、潮の満ち引きによっては、この大鳥居まで歩いて行くことができます。
海に浮かぶ鳥居を眺めるのと、近くでその迫力を感じるのと、どちらも魅力的ですね。
ここでは、どのタイミングで訪れると良いのか、そして満潮時と干潮時のそれぞれの特徴をご紹介します。
海中に立つ大鳥居の理由とは?
宮島は昔から神が宿る島とされ、一般の居住が許されていませんでした。
そのため、神聖なこの地には、潮の動きを利用して建てられた厳島神社があります。
弥山と瀬戸内海の間に位置するこの神社は、その自然美と人の手による造形の調和が、長い間人々を魅了してきました。
大鳥居は、高さ約16メートル、幅約24メートル、重さ約60トンで、腐りにくく虫にも強い500~600年生のクスノキで造られています。
現在の鳥居は8代目で、1875年に建てられました。
適切なクスノキを選ぶのに約20年かかったというから、その信仰の深さがうかがえます。
また、この大鳥居は海底に固定されているわけではなく、自重で立っている設計となっています。
厳島神社の象徴、大鳥居と潮の満ち引き
満潮時
満潮になると、大鳥居がまるで海上に浮かんでいるかのような幻想的な風景が広がります。
この光景の写真は多くの人が目にしているでしょう。
海に浸かる大鳥居と神殿は、世界でも珍しい景色で、見る価値が高いです。
干潮時
潮が引くときは、大鳥居の下まで歩いていくことが可能になり、その壮大な姿を下から見ることができます。
「嚴嶋神社」と「伊都岐島神社」と刻まれた扁額も間近で確認できます。
通常は水に覆われている「鏡の池」や建築の基礎部分もこの時だけの特別な光景として現れます。
実際に大鳥居に近づく際は、海岸の石段やスロープを通って進む必要がありますが、足元が泥だらけや水溜りで濡れることがあるので、履きやすい靴がおすすめです。
改修前は、歩いて鳥居の袂まで行くと、鳥居にたくさんの小銭が挟んであるのが確認できました。しかし、大鳥居の亀裂に小銭を挟む行為は、鳥居を損傷する原因となり得るので控えるべきです。
このような行動は神社に対する敬意を示さないものであり、悪影響を及ぼす恐れがあります。
他人の行動に流されず、正しい礼儀を守りましょう。
厳島神社訪問の最適なタイミング
満潮時は、厳島神社が海に浮かぶ幻想的な景観を楽しみたい方や、初めて訪れる方にぴったりです。
一方、干潮時は大鳥居の直下まで歩いて詳細を観察したい方や、以前に満潮時の景色を経験した方に向いています。
もし訪問時に時間の余裕があれば、満潮と干潮、両方のシーンを体験してみると、厳島神社の違った魅力を感じられるでしょう。
満潮と干潮のタイミングについて
満潮と干潮は日に2回ずつあり、次の満潮までの間隔は約12時間25分で、日々約50分ずれていきます。
ただし、訪問時は「潮位」にも注目しましょう。
厳島神社が海に浮かぶのは潮位が「250cm以上」の時、大鳥居の下まで行けるのは「100cm以下」の時です。
例えば、潮位が「147cm」の干潮時には、まだ海水が残っているため大鳥居の根元へは行けません。
満潮や干潮の時刻と潮位は宮島観光協会の公式ウェブサイトで確認できます。
まとめ
厳島神社を訪れる際は、潮の満ち引きによって変わるその美しさを存分に楽しむために、満潮・干潮のスケジュールと潮位を事前に調べておくことがおすすめです。
また、夜に訪れると、ライトアップによる幻想的な雰囲気の中で満潮を体験でき、特別な思い出になるでしょう。